中嶋凌「Airy Cyan」プリセットの使い方 |光と空気感を纏う編集のコツ 東京を拠点に、その瞬間にしかない儚い空気感を大切にした写真を撮り続けているフォトグラファー 中嶋 凌。 シャドウをやさしく持ち上げ、澄んだ青空や海辺の色彩を軽やかに引き立てることで、写真全体に心地よい統一感をもたらします。肌のトーンを自然に整えながら、日常の景色にフィルムライクな透明感をそっと添えるために設計された、Lightroom プリセット 「Airy Cyan」。 写真を見返したとき、「確かにこの場所に、こんな空気が流れていた」と思い出せる一枚は、そう多くありません。この Lightroom プリセットは、単に色を整えるためではなく、その場にあった光や空気感まで写真に残すことを目的に設計されています。 この記事では、 ・プリセットの特徴や制作のこだわり ・どんな写真・シーンに向いているのか ・失敗しにくい基本的な使い方 ・プリセットを活かすための調整ポイント について、フォトグラファー本人の言葉をもとに紹介します。 プリセットに込めたこだわり このプリセットで最も大切にしたのは、「そこに流れていた空気まで写し込むこと」。シャドウ(影)をただ明るくするのではなく、質感を残しながら、やさしく持ち上げることで、写真全体に自然な奥行きと柔らかさを与えています。また、空や海の色を美しく見せながらも、ポートレートで最も重要な「肌の色」がくすまないよう、透明感のあるシアン(青緑)を絶妙なバランスで設計しました。「Airy Cyan」は、デジタル特有の硬さを抑え、どこか懐かしさを感じる、フィルムライクな質感を加えることで、見返したときに記憶とつながる一枚を目指しています。 プリセットの特徴 光と空気感を活かすシャドウ設計 シャドウを軽やかに持ち上げることで、暗部にも柔らかな光を。のっぺりとした平坦な印象を与えず、その場の空気の重なりや、差し込む光の筋までを感じさせるトーンを追求しました。 透明感のある青と、自然な肌トーン 空や海の青を引き立てながら、人物の肌色が不自然にならないよう設計されているため、風景とポートレートを同時に美しくまとめることができます。 フィルムライクなやわらかい質感 パキッとしたデジタル感を抑え、優しく、少し懐かしさのあるトーンが特徴です。 Before After どんな写真・シーンに向いている? 【向いている写真】 •空や海など、自然光が美しい風景 •逆光/半逆光のポートレート •旅先の日常スナップ •光がやわらかく回り込む屋外・室内 【苦手なシーン】 •夜景や暗所など、漆黒や強いコントラストを重視した写真•オレンジ色の強い暖色照明下の室内(※ホワイトバランス調整で対応可能) プリセットの基本的な使い方 ① プリセット適用後に調整するポイント まずは 露光量(明るさ) を調整してください。このプリセットはやや明るめのトーン設計のため、写真によっては少し暗くすることで、雰囲気がより落ち着きます。次に ホワイトバランス(色温度) を微調整すると、その場の光に自然になじみ、「Airy Cyan」の透明感が引き立ちます。 ② 撮影時に意識していること 逆光や半逆光など、光がやわらかく入るシーンで撮影しておくと、プリセットの「エアリー感」が最大限に活きます。適正露出〜やや明るめで撮影した写真の方が、このプリセットとの相性が良い傾向があります。 ⚠️ 使うときの注意点・失敗しやすい例 ・白飛びした写真について 元から白飛びしている写真に適用すると、 階調が残らず、明るさが破綻してしまう場合があります。 ・明るさが合わないと感じたら まずは露光量を下げて調整してください。それでも明るい部分が強い場合は、「ハイライト」だけを少し下げると落ち着きます。 ・色が転びやすい被写体 濃い緑の植物や赤い被写体は、シアン調整の影響で色が変化しやすい場合があります。気になる場合は、HSL(カラーミキサー)で彩度を微調整してください。 こんな人におすすめのプリセット •何気ない日常写真を、物語のある一枚に仕上げたい方 •透明感のある写真に憧れているけれど、編集に迷っている方 •旅先で見た空や海の感動を、そのまま残したい方 RAW現像を難しく感じている方でも、この「 Airy Cyan 」を当てはめて少し整えるだけで、世界観が完成するプリセットです。 中嶋 凌のお気に入りの一枚 本プリセットをベースに仕上げています。 中嶋 凌 東京を拠点に、その瞬間にしかない儚い空気感を大切にした写真を撮り続けている。ファインダー越しに表現するのは、いつか見た記憶の片隅に静かに残るような、青と光の世界。一枚の写真から始まる物語を紡ぐ。